小論文の基礎ルール4 ~こそあど言葉に注意~

例)日本国憲法前文

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。(日本国憲法前文)

日本国憲法の内容自体に文句を言いません。

素晴らしい内容でしょう。

ところが、文法そのものは極めて残念。

こそあど言葉を読み解くと、こうなる。

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、

その(国政の)権威は国民に由来し、その(国政の)権力は国民の代表者が

これ(国政の権力)を行使し、その(国政の)福利は国民がこれ(国政の福利)を享受する。

これ(前の一文の内容すべて)は人類普遍の原理であり、

この(日本国憲法そのもの)憲法は、かかる原理(人類普遍の原理)に基くものである。

われらは、これ(人類普遍の原理)に反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する


指示語ばかり使うのはNGですね。表現力という項目の点数が低くなります。

だからといって、同じ言葉を何度も何度も登場させるのもNG


みなさん、国語の試験で

「そのような」が何を指しているか。答えなさい。

という問題を人生で数千回は解いたことがありますよね。

もちろん、テストですから正しく答えられなければ、不正解です。

  

しかし、「そのような」が何を指しているか。

それを瞬時に理解できないような文章が、本当によい文章ですか。

受験生が読んでいるのは評論家の文章です。

 

このような設問が、読解力を高める一訓練として有効です。

しかし、それと同時に「皆さんが文章を書くときには、その指示語が何を指しているのか、読者に考えさせる文章を書いてはいけない」と小学校の先生から習ったはずですよ。

国語の授業で評論家の文章を読んで、それに洗脳されてはいけない。

評論家の文章は試験のためのツールであり、君たちがそれを真似て書く文ではない。

評論文を書くわけではないからね。

だからといって、同じ言葉を何度も使ってもダメですね。

下手な文章の書き方(例)

家電製品の買い時は、家電製品が必要になったときに買うべきだ。以前、価格が下がるのを待っていたおかげで、家電製品を買いそびれたことがある。

何度も何度も「家電製品」、「家電製品」と

ダメです。


表現についても同様

下手な文章の書き方(例)

ワールドカップは日本国民全員が熱狂した。ある人はテレビの前で熱狂して、またある人は、試合会場に出向いて熱狂した。

熱狂・・熱狂・・熱狂・・・NG




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